2007年4月30日月曜日

YOUTH by Samuel Ullman


『青春とは』サミュエル・ウルマンの詩

アンティエイジングを意識してこのブログを始めた以上、避けて通れないのが「抗老化」とは一体どういう意味で言うのか、という問題です。これは私自身がまず明確にしないと先に進みません。ここでちょっと寄り道をして、原点にもどりたいと思います。

アンティエイジングを「抗加齢」という人もいますが、これはちょっと問題があります。年齢を重ねるのは防ぎようがないからです。日本社会では否応なしに誕生日がくれば、またひとつ歳をとらなければならないようになっています。また至る所で年齢を記入させられます。わずらわしい思いをするのは私だけではないでしょう。

正しくは「抗老化」だと思います。老化には肉体面と精神面の両方があります。身体の老化には抵抗する方法はあり、テレビ、雑誌、新聞、その他関連する業界では死んでも健康でありたいと願う人たちで商売繁盛の様子です。しかし、本当の老化は精神の方がはるかに大事な要素であると常日頃から思っていました。そこで、英語との関連からサミュエル・ウルマンの『青春とは』という、知る人ぞ知る詩を取り上げてみようと考えたわけです。

まず英語を何回も読み返して、「青春」の真意をくみ取ってください。なお、私の訳文は出来るだけ原文に忠実に、平易な日常語に訳してあります。詩的な表現で日本語として味わってもらうのが目的ではなく、あくまで英語原文の味わいを重視して、その理解の一助としての訳文としたいからです。

読めば読むほど、これこそ「アンティエイジング」の真髄ではないかと思わせる、味わい深い詩ではないでしょうか。


YOUTH by Samuel Ullman (1840-1924)

Youth is not a time of life;
It is a state of mind;
It is not a matter of rosy cheeks, red lips and supple knees;
It is a matter of the will, a quality of the imagination, a vigor of the emotions;
It is the freshness of the deep springs of life.

Youth means a temperamental predominance
Of courage over timidity of the appetite,
For adventure over the love of ease.
This often exists in a man of sixty more than a boy of twenty.
Nobody grows old merely by a number of years.
We grow old by deserting our ideals.

Years may wrinkle the skin,
But to give up enthusiasm wrinkles the soul.
Worry, fear, self-distrust bows the heart
And turns the spirit back to dust.

Whether sixty or sixteen,
There is in every human being's heart the lure of wonder,
The unfailing child-like appetite of what's next,
And the joy of the game of living.

In the center of your heart and my heart
There is a wireless station;
So long as it receives messages of beauty,
Hope, cheer, courage and power
From men and from the Infinite,
So long are you young.

When the aerials are down,
And your spirit is covered
With snows of cynicism and the ice of pessimism,
Then you are grown old, even at twenty,
But as long as your aerials are up,
To catch the waves of optimism,
There is hope you may die young at eighty.   
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『青春とは』サミュエル・ウルマン (1840-1924)

青春とは人生の一時期をいうのではない
それは活動する精神の状態をいうのだ
それはバラ色の頬のことではなく、赤い唇でもなく、しなやかな膝のことでもない
それは意志に係わること、高みを目指す想像力のこと、あふれんばかりの情緒の豊かさのことなのだ
それは生命の深みから湧き出る清冽な泉のことをいうのだ

青春とは、ともすれば臆する本能の弱さに挑み
安逸の日常よりは冒険を求める、
そのひたむきな勇気が支配する精神の状態のことなのだ
この精神は二十歳の若者ではなく齢六十の男に宿るのもまれではない
ひとは単に年齢を重ねるがゆえに老いるのではない
理想を置き去りにすることで年老いてしまうのだ

歳を重ねれば皮膚のしわは増えるであろう
だが熱意を捨てることで魂にしわがよる
悩み事、恐れ、自己不信、これらが心をくじく
そして生きる意欲を灰燼のごとく捨て去るのだ

歳は六十であれ十六であれ
あらゆる人の心には新しい驚きを発見する意欲
子供のように次に来るものを期待するあくなき好奇心
そして生きることの遊びとしての楽しさが息づいている

あなたの心にもわたしの心にも
中には無線通信装置があるのだ
美、希望、歓声、勇気、力のメッセージが
他の人々から、また無限界の存在から受信できる限り、
あなた心はいつまでも青春なのだ

だが、ひとたびアンテナが降ろされ
精神が冷笑を含んだ重い雪、悲観で固まった氷で覆われたとき
歳はたとえ二十歳であろうとも、そのときあなたは年老いるのだ。
しかしアンテナが空高くのばされ、
楽観の波長をとらえ続けるかぎり
齢八十にして青年として死する望みも叶うのだ。

(訳文責:島村政二郎)
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[注釈]
*aerial
サムエル・ウルマンはアメリカに移住したユダヤ系のドイツ人で、この詩が書かれたのはタイタニック号の遭難事件のあった1912年から遠くない時期だと思われる。この詩の中には”aerial”(アンテナ)という最近では使わない言葉が出てきますが、これはタイタニック号の救助活動に当時まだ普及し始めたばかりの無線交信技術が大きな役割を果たしたことから、ウルマンも特別の意味をこめてこの言葉を使っているようです。

*temperamental predominance
ときには狂うような激しさの気性が支配する状態のこと。

*appetite
食欲にとどまらず、肉欲、名誉欲、金銭欲など、ついつい人を臆病にして冒険を避けるような誘惑のことを指すと解釈します。

[参考資料]
手島佑郎氏の「青春」の英語原文資料、およびタイタニック号についての解説を参考にさせて頂きました。参照先:http://www16.0038.net/~gilboa/Ullman_Poetry.html
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2007年4月24日火曜日

Five Questions Most Feared by Men


男が恐れる五つの質問

奥さんから次のような質問をされたらどう答えます?過去に間違った答えをして、窮地に陥った経験はないですか?なぜ女性はこのようなむずかしいことを聞きたがるのでしょうか。今度また間違えたらもう後がないと思って真剣に考えてください!

The 5 questions most feared by men are:

1 What are you thinking about?
  (あなた、いま何考えているの?) 
2. Do you love me?
  (わたしを愛している?)
3. Do I look fat?
  (わたし太って見える?)
4. Do you think she is prettier than me?
  (あの女、わたしよりきれいだと思う?)
5. What would you do if I died?
  (わたしが死んだらあなたどうする?)

このような質問には間違っても本心を言ってはならない、というのが鉄則ですよ。つい正直に言ってしまったが最後、延々と言い争いが続くのは目に見えていますので。しかし、それで突き放したのでは皆さんのお役には立たないので、詳細に分析した上で、正しいと思われる模範解答をのせておきます。


Question # 1: What are you thinking about?

The proper answer to this, of course, is: "I'm sorry if I've been pensive, dear. I was just reflecting on what a warm, thoughtful, caring, intelligent woman you are, and how lucky I am to have met you."

考え事をしていて不意をつかれたようですね。上の模範解答は次のような正直な答えとは似ても似つかぬものでしょうが、勇気を持って照らし合わせることをお勧めします。あなたの本心は次のどれでしょうか。:

a...Baseball. (野球のこと)
b...Soccer game (サッカー試合のこと)
c...How fat you are. (君もよく太ったね)
d...How much prettier she is than you.
   (彼女は君よりずっときれいだな)
e...How I would spend the insurance money if you died.
  (君が死んだら保険金は何に使おうかな)

ちょっと冷たく聞こえますが、気の利いた答えはおそらく次のようなものでしょうか。
"If I wanted you to know what I was thinking, I would be talking to you!"
 (いま何考えているか君に知って欲しかったら、僕の方から話しているよ。)


Question # 2: Do you love me?

The proper response is: "YES!"
しかし、イエスだけでは心がこもっていませんね。
If you feel a more detailed answer is in order, "Yes, dear."
そうです、お前、とか名前をちょっと付け加えるだけで親密度はアップします。

次のような返事はもめ事のもとになるでしょう。
a...Oh Yeah, crap.
  (うん、まあね、くだらんこと聞くなよ>).
b...Would it make you feel better if I said yes?
  (イエスと言ったら気分がよくなるかい?)
c...That depends on what you mean by love.
  (「Love」をどういう意味で言っているかによるけど)
d...Does it matter?
  (それ大事なことかい?)
e...Who, me?
  (だれ、僕に聞いてるの?)


Question # 3: Do I look fat?

The correct answer is an emphatic: "Of course not!"
<わざとらしくても、このように強調して否定しなければなりません。>

不適切な解答例としは、:
a...Compared to what?
  (何とくらべて?)
b...I wouldn't call you fat, but you're not exactly thin.
  (太ってるとは言わないけど、細身というわけでもないね)
c...A little extra weight looks good on you.
  (すこし太っている方が君には似合っているよ)
d...I've seen fatter.
  (前にはもっと太っていたことあったよ)
e...Could you repeat the question?
  (その質問もう一度言ってくれない?).


Question # 4: Do you think she's prettier than me?

Once again, the proper response is an emphatic: "Of course not!"
<この質問もためらいなく、強く否定しましょう。>

間違った解答例::
a...Yes, but you have a better personality.
  (そうだね。でも君の方が性格はいいよ。)
   <性格などどうでもいいんです。容姿なのです、女の関心事は!>
b...Not prettier, but definitely thinner.
  (きれいとは言わないけど、彼女が細身であることはたしかだね)
c...Not as pretty as you when you were her age.
  (君と同年代だった頃は別として、今の彼女は君よりきれいとは思わない)
d...Define pretty.
  (「きれい」とはどういう意味で?)
e...Could you repeat the question?
  (その質問もう一度言ってくれない?)


Question # 5: What would you do if I died?

警告:これはどう考えても勝ち目のない質問です。本心は「ハワイ旅行でもしたいな」かもしれませんが、そんなこと言ったら最後あなたの方が先に死ぬ羽目になりますよ。どんな答えで切り抜けるにしても、奥さんはしつこく食い下がり、こんな展開になるような気がしますが・・・。

WOMAN:  Would you get married again?
       (再婚する?)
MAN:  Definitely not!
     (とんでもないよ!)
WOMAN:  Why not? Don't you like being married?
       (なぜしないの?結婚したいでしょう?)
MAN:  Of course I do.
     (それはもちろん、そうだけど)
WOMAN:  Then why wouldn't you remarry?
        (じゃあ、なぜ再婚しないの?)
MAN:  Okay, I'd get married again.
     (そんなに言うなら、再婚するよ)
WOMAN:  You would? <ちょっと傷ついたような表情で>
       (本当に?)
WOMAN:  Would you sleep with her in our bed?
       (その女性と私たちと同じベッドで寝るの?)
MAN:  Where else would we sleep?
     (他にどこに寝るんだい?)
WOMAN:  Would you put away my pictures, and replace them with pictures of her?
       (私の写真をはずして彼女の写真と取り替えるの?)
MAN:  That would seem like the proper thing to do.
     (そうするのが一番円満に収まると思うけど)
WOMAN:  And would you let her use my golf clubs?
       (わたしのゴルフクラブも彼女に使わせるの?)
MAN:  She can't use them; she's left-handed
     (それはできない。彼女、左利きだからね)
WOMAN: - - - dead silence - - -<女の沈黙は恐ろしい!>
MAN:   Oh sh-----! <ののしり言葉は削除>.

<女の勘は鋭い。こうして根は善良だが不運な男どもの自白調書が、日夜作成されているのです。こわいですね。>

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2007年4月21日土曜日

Man and Woman


男と女

同じ人間とは言いながら、またお互いにお互いを必要としていながら、男と女は決して仲が良いわけではない。母親の胎内で人間の形になり始める時から、男と女はすでに脳の配線構造が違っていて、成長するにつれてその違いは決定的になるようです。

イギリスのジョークにはこんなものがあります。
An English teacher wrote these words on the whiteboard: "woman without her man is nothing". The teacher then asked the students to punctuate the words correctly.

The men wrote: "Woman, without her man, is nothing."

The women wrote: "Woman! Without her, man is nothing."


Punctuateとは句読点をつけることですが、これは意外に重要です。上の例のように同じ単語を使いながら意味を逆にしたり、また主張を明確にできるだけでなく、メリハリがきいた読みやすい文になります。しゃべり言葉では、句読点の代わりに抑揚をつけたりストレスの強弱で、意味を明確にしたりできます。

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男と女の話題は今後も続くと思いますが、今回はもう一つだけ。

Charles was getting annoyed and shouted upstairs to his wife," Hurry up or we'll be late."

"Oh, be quiet," replied his wife. "Haven't I been telling you for the last hour that I'll be ready in a minute?"


Annoyはよく使われる言葉で重宝します。「いらいらさせる、気に障る」という意味です。
Would you stop making that noise? It annoys me.
His bad manner is very annoying.
I was so annoyed by the bad service I did not leave any tip.


男はせっかち、女はマイペース。だから、男は早死にし、100歳以上の長寿者はほとんどが女性となるわけですね。まあ、それで良いのだと思いませんか。100歳以上の女性との生活など想像できますか?べつに気兼ねする必要はありません。相方の方は60歳を過ぎたらもうゴメンだと思っている可能性は大ですから。
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2007年4月19日木曜日

English Cuisine and English Women


イギリス料理とイギリス女

“English cuisine and English women – the foundation of a great seafarer nation!”

まずイギリス料理、または英国料理という言葉を聞いたことがありますか?イギリス女は?そうですね、あまり聞いたことがありませんね。私もイギリス料理で有名なのは「ローストビーフ」くらいしか知りません。「フィッシュ・アンド・チップス」はアメリカのハンバーガーと同じで、料理というにはちょっと。フランス料理やイタリア料理、中国料理、日本料理、タイ料理、などの世界に冠たる有名料理の前には顔色なしというのはまちがいないでしょう。

イギリス女は?これもあまり艶っぽい話題にはなりませんね。もしかすると、料理という文化とそれを育てる女というのは深い関係があるのかもしれません。日本料理も今や世界的な有名料理なので、その文化に育まれた日本女性も味わい深い、ということにして話しを本題に戻します。

この一行の英語は単語を並べただけで、文にもなっていません。しかし、意味深長な味わいがあり、いつも頭の片隅にひっかかっていたので取り上げた次第です。タイの英字紙『The Nation』のチャットコーナーにだれかが残したものです。私は自虐的なイギリス人が書いたものと勝手に思いこんでいますが・・・。

要するに、「イギリス料理はまずい、女もしかり。だからこそ、自国にはないおいしい食べ物と女を求め七つの大海に船を走らせ世界を制覇し、海洋国家たる大英帝国の礎を築くことができたのである。」。何度読み返してもこのようにしか解釈できないのですが・・・。

フランスやイタリアはそれほどの冒険心を抱かなかったのはなぜか、面白いですね。スペインやポルトガルも海洋国家としてよく頑張ったものの、祖国に後ろ髪を引かれる思いが強く、捨て身の大英帝国には及ばなかったのでしょうか。

料理といい、女といい、根幹となる文化の有無が国の興亡を左右するとすれば、コロンブスのケガの功名にすぎない「アメリカ大陸」発見より面白いと思います。料理と女が歴史を動かす!

そういえば、アメリカ料理というのも聞かないのがちょっと気になりますね。
腕力に物を言わせて世界制覇の野望に燃えているように思えてなりませんが・・・・


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2007年4月18日水曜日

Sincerely


Ladies and gentlemen,

島村と申します。ボケてくる頭を叩きながら、ブログなるものをおっかなびっくりで始めることになりました。アカデミズムとは関係なく、英語とは仕事と読書の趣味で長年付き合ってきたこともあり、まだ現役でもあります。面白い英語と出会うたびに、100人の方の一人でも参考になればと、つれづれに書き留めておこうという思いで出発いたします。

何卒よろしくお願いたします。

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英語の手紙の結びにはよくSincerelyということばが使われます。日本語の手紙の「敬具」に相当する言葉ですね。その語源が面白いので、「ダヴィンチコード」の作者Dan Brown氏の第一作目の小説『Digital Fortress』の結末部分から引用させていただきたい。

ルネサンス期のスペインで、彫刻家が高級な大理石で彫った作品にキズをつけたときには、ワックスを塗ってキズがわからないように工夫したそうな。このワックスはスペイン語でceraという。ワックスを使う必要のない完璧な作品は、「ワックスなし」の意味のsin cera作品と呼ばれた。やがてこの語は、「正直な、本物の」という意味で使われるようになった。

英語の sincereという語は、スペイン語のsin cera から派生した言葉として使われるようになり、誠実な、純真な、という意味や、手紙の結びのsincerely「心をこめて」として今日でも堂々と通用している。

ダン・ブラウン氏の小説では、”I love you. Without wax.” と謎めいた愛の告白メモとして使われている。それを手にした暗号解読の専門家であるヒロインが、意味を教えてくれるまで結婚してあげないわよ、とメモを書いた恋人の言語学者にすねるところでこの小説は終わっている。ロマンティックなひねりのきいた心憎いエンディングである。 

ついでながら、この小説は氏の第一作目であるだけに、あちこちにワックスが必要な箇所はあるものの、4作目の最新作「ダヴィンチコード」の作家としての希有の才能がすでにあふれ出ているような作品だと思います。
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まあ、このような感じで英語のおもしろさ、ユーモアなど、思いつくままに投稿していきますので、お気軽にお付き合いのほどお願いいたします。

Sincerely,

Masa Shimamura