2007年4月18日水曜日

Sincerely


Ladies and gentlemen,

島村と申します。ボケてくる頭を叩きながら、ブログなるものをおっかなびっくりで始めることになりました。アカデミズムとは関係なく、英語とは仕事と読書の趣味で長年付き合ってきたこともあり、まだ現役でもあります。面白い英語と出会うたびに、100人の方の一人でも参考になればと、つれづれに書き留めておこうという思いで出発いたします。

何卒よろしくお願いたします。

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英語の手紙の結びにはよくSincerelyということばが使われます。日本語の手紙の「敬具」に相当する言葉ですね。その語源が面白いので、「ダヴィンチコード」の作者Dan Brown氏の第一作目の小説『Digital Fortress』の結末部分から引用させていただきたい。

ルネサンス期のスペインで、彫刻家が高級な大理石で彫った作品にキズをつけたときには、ワックスを塗ってキズがわからないように工夫したそうな。このワックスはスペイン語でceraという。ワックスを使う必要のない完璧な作品は、「ワックスなし」の意味のsin cera作品と呼ばれた。やがてこの語は、「正直な、本物の」という意味で使われるようになった。

英語の sincereという語は、スペイン語のsin cera から派生した言葉として使われるようになり、誠実な、純真な、という意味や、手紙の結びのsincerely「心をこめて」として今日でも堂々と通用している。

ダン・ブラウン氏の小説では、”I love you. Without wax.” と謎めいた愛の告白メモとして使われている。それを手にした暗号解読の専門家であるヒロインが、意味を教えてくれるまで結婚してあげないわよ、とメモを書いた恋人の言語学者にすねるところでこの小説は終わっている。ロマンティックなひねりのきいた心憎いエンディングである。 

ついでながら、この小説は氏の第一作目であるだけに、あちこちにワックスが必要な箇所はあるものの、4作目の最新作「ダヴィンチコード」の作家としての希有の才能がすでにあふれ出ているような作品だと思います。
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まあ、このような感じで英語のおもしろさ、ユーモアなど、思いつくままに投稿していきますので、お気軽にお付き合いのほどお願いいたします。

Sincerely,

Masa Shimamura

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