2007年5月19日土曜日

SLOW DANCE



サミュエル・ウルマンの『青春とは』を投稿した後に、マレーシアの友人のブログサイトでこの詩に出会いましたので、心を打つこの詩を投稿します。訳は必要ないと思いましたが、詩の後に参考までにつけておきます。

この詩はニューヨークの病院で迫りくる死を待つ少女の書いたものです。ガンに冒されあと6ヶ月の命と知ったその少女は、華やぐ若者のパーティにも縁がなく、高校も卒業することなく、結婚して自分の家庭を持つこともかなわぬことを知っていました。旅立ちの前に言い残したかったことを詩に託した、澄み切った若い魂の呼びかけです。

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 SLOW DANCE

Have you ever watched kids
On a merry-go-round?

Or listened to the rain
Slapping on the ground?

Ever followed a butterfly's erratic flight?

Or gazed at the sun into the fading night?


You better slow down.

Don't dance so fast.

Time is short.

The music won't last.


Do you run through each day
On the fly?

When you ask How are you?

Do you hear the reply?


When the day is done

Do you lie in your bed

With the next hundred chores

Running through your head?


You'd better slow down

Don't dance so fast.

Time is short.

The music won't last.


Ever told your child,
We'll do it tomorrow?

And in your haste,

Not see his sorrow?


Ever lost touch,

Let a good friendship die

Cause you never had time

To call and say,"Hi"?


You'd better slow down.

Don't dance so fast.

Time is short.

The music won't last.


When you run so fast to get somewhere

You miss half the fun of getting there.

When you worry and hurry through your day,

It is like an unopened gift....

Thrown away.


Life is not a race.

Do take it slower

Hear the music

Before the song is over.


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SLOW DANCE

メリーゴーラウンドに乗った子供を見たことがありますか

雨が地面をピチャピチャ打つ音に聞き入ったことがありますか

チョウチョがくねくねと曲がって飛ぶのを目で追ったことがありますか

太陽が宵闇にとけ込むのを見つめたことがありますか


もっとゆっくりしましょうよ

そんなに早く踊らないで

人生の時は短いの

音楽はいつまでも続かないの


毎日追われるように走っているの?

お元気、と聞くときに

返事を聞くまで待つことありますか

一日が終わり、ベッドに横になるとき

やり残した100の雑事でまだ頭がいっぱい?


もっとゆっくりしましょうよ

そんなに早く踊らないで

人生の時は短いの

音楽はいつまでも続かないの


それはまたあしたよ、と子供に言ったことありませんか

気がせいていて、子供の悲しい顔は見なかった?

便りが途切れていませんか

親しい友情を死なしていませんか

ハーイ、と電話する時間がなかったから?


もっとゆっくりしましょうよ

そんなに早く踊らないで

人生の時は短いの

音楽はいつまでも続かないの


どこかに行くのにそんなに早く走ったら

行き着くまでの楽しみが半分になる

せかせかと急ぐばかりで一日を終えるのは

開けないままの贈り物を

放り投げるのとおなじこと


生きることはレースじゃないわ

もっとゆっくりお願いだから

じっくり聴いて音楽を

歌が終わってしまう前に

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●この詩をアメリカで回覧し始めた人はこの方です。感謝します。
Initiator--
Dr. Dennis Shields, Professor
Department of Developmental and Molecular Biology
1300 Morris Park Avenue
Bronx , New York 10461

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2007年5月17日木曜日

Economics Made Simple



やさしい経済学


経済学なるものにはぜんぜん興味がなかった私は、学生時代にも見向きもしなかったし、いまさら勉強しても後の祭りの感がつよいです。ところが私にもよくわかる経済学の法則例がありましたので、ご紹介しましょう。

“Using economics to influence behavior is something this country is built on—it’s called capitalism.”

(経済学の法則を応用して人々の行動に影響を与えるというのは、そもそもこの国の寄って立つ原理なのです。それは資本主義と呼ばれています。)

By Michael Bloomberg, New York City mayor, who is considering charging people a fee for driving into the heart of Manhattan. (Source: Times)

ニューヨーク市長のブルームバーグ氏の発言です。マンハッタン中心部に乗り入れる車に特別料金を課すことを検討中と発表してニュースになりました。東京の銀座通りに入る車に通行料を課すようなものです。いいアイデアだと思うのですが。

市の中心部に車を乗り入れて余分なお金を取られるなら、車はやめて地下鉄で行くことにしようか、と考えるのは経済学の法則に基づく行動である。それがこの国の根幹となっている資本主義というものである、とのご指摘です。よくわかったような気になるから不思議ですね。政治家にこういうユーモア感覚で言われると、素直に聞く気になりませんか。

ちなみに、シンガポールなどはもうとっくに実行していて、目抜き通りのオーチャード・ロードに車を乗り入れると特別通行料がチャージされます。タクシーも例外ではありません。

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2007年5月16日水曜日

Why Worry?



今回はちょっと息抜きに、軽めのブラックユーモアを味わってみましょう。
論理的にも突っ込みようのない正論であることに気が付かれることでしょう。
英語としてはやさしいですから、へたな注釈はなしということで。


Why Worry?


There are only two things in life to worry about:

Whether you are well or whether you are sick.

If you are well, then there is nothing to worry about.


But if you are sick,

There are only two things to worry about:

Whether you are going to get well

Or whether you are going to die.


If you get well,

Then there is nothing to worry about.

But if you die,

There are only two things to worry about:

Whether you are going to heaven

Or whether you are going to hell.


If you go to heaven,

Then you have nothing to worry about.

But if you go to hell,

You’ll be so busy shaking hands with all your friends

That you won’t have time to worry!


So, Why Worry?

Be Happy!

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2007年5月9日水曜日

Queen's Visit to USA (II)


エリザベス女王のアメリカ訪問 (II)


アメリカでは奴隷制度や原住民であるインディアン(Native American)の扱い、オーストラリアに行けば原住民のアボリジニーの扱い、ニュージーランドではマオリ族、などなど。かつての植民地を訪問するたびにエリザベス女王は大英帝国の過去の問題をチクチクと指摘され、現地のマスコミなどからコメントを求められるそうです。日本の首相に対する「従軍慰安婦」や「過去の清算」と驚くほど似ていますね。エリザベス女王は政治的な発言は一切されないのが常で、今回もホワイトハウスでのスピーチでも、植民地時代の過去にはお詫びの言葉は一切なく、ただ一言:
“Human progress does not come without cost.”
(代償を払うことなく、人間社会が進歩することはあり得ません。)

さらに続けて、”Today’s American society, which is a melting pot, is an inspiration for social challenges ahead.”

人種のるつぼのアメリカ社会ですが、イギリスも急速に多民族社会になりつつあり、アメリカと同じような問題をかかえるようになっています。女王の発言のなかの”inspiration for social challenges ahead” を拡大解釈すれば、「アメリカ社会の現状をアメリカ自体がどう解決していくか、それがイギリスの将来の問題解決の糸口になって欲しいと願っております」ということではないでしょうか。

ホワイトハウスでの歓迎晩餐会は、珍しくホワイトタイと燕尾服着用の正式なものでした。これが最後の機会になることを知っているブッシュ夫人の口添えではないかと言われています。
Mrs. Bush called the white-tie dinner ”the most elegant and most formal that we’ll host.”

ここでの歓迎スピーチでブッシュ大統領が(珍しくないようですが)、トチリました。エリザベス女王が1976年のアメリカ建国200年祭に来訪された、と言うつもりが「1776年」と言ってしまったのです。ただ、これには大統領もすぐ気付き、ちらっと女王の方を見てから苦笑いして出席者に向かって言いました。
“She gave me a look only a mother could give a child.”
(女王の表情は母親がこどもに向ける眼差しでした。)

会場からは遠慮がちなクスクス笑いがありましたが、やはりスピーチ慣れしたアメリカの政治家ですね。すばやく、アドリブのユーモアで失点を取り返すあたりはさすがです。日本の政治家なら、ただ恐縮してあやまるだけでその場がしらけたかもしれません。

ここでそもそものテーマである女王のイギリス英語をCNNで聞きました。クイーンズ・イングリッシュなどと気取ったものではなく、ごく普通の話し方です。しかし、81歳とは思えぬ若々しい声、透き通ったよく響く声、きれいな明確な発音、よどみなく流れるような話しぶりの、内容もよく理解できるすばらしいスピーチでした。

一方のブッシュ大統領のスピーチは、内容は別にして、英語という点で比較すれば女王に脱帽でしょう。アメリカ英語の問題はいかにも軽すぎることです。発音の仕方から来ていると思いますが、とにかく一語一語を明確に発音せず、上っ滑りのフニャフニャした音になるのです。とくにブッシュ大統領の英語はテキサスなまりの残る話し方で、エリザベス女王の英語とは比較の対象にもなりません。

風格のあるなしや地方なまりは問題にしないとしても、一般的にアメリカ人は自分のしゃべる言葉に愛着をもっていないように感じます。言葉など意思疎通のための記号だとしか思ってないのでは、という感じさえします。一語一語を大事に発音するイギリス英語を聞くと、私などは生理的快感さえ覚えてしまいます。イギリスには英語しか財産は残っていないからだろう、とアメリカ人は言いそうですが。

ここで気になるのがアメリカ国民のイギリス女王と王室に対する反応です。CNNから引用しますと、

“A CNN/Opinion Research Corp. poll released Monday during the queen's six-day U.S. visit finds that eight in 10 Americans have a favorable view of the British monarch. This comes despite the fact that four in 10 believe Britain would be better off without a royal family.”

つまり、10人のうち8人はイギリス女王ご夫妻に好感をもっている。その一方で、10人のうち4人はイギリスには王室はない方がよい、と考えている。

しかし、実際にはアメリカ人の意見は分かれていて、正確には41%が王室存続には否定的、45%は王室がなくなるとさらに悪くなる、14%がどちらとも言えない、という意見だそうです。

ところで、イギリス人の目には今回の女王アメリカ訪問はどう写っているでしょうか。CNNのイギリス人記者で、歯に衣を着せないコメントで有名なリチャード・クエスト記者の現地レポートから引用しますと(彼のしゃべりを書き写したものです):

“There is always a feeling, when the Queen and the prince visit the United States, Americans do have this most delicious love and hate relationship with the British royalty.”
(女王と王子がアメリカを訪問するたびに、私はいつも感じるのですが、アメリカ人はイギリス王室とのいつまでもあきることのない愛と憎しみの関係を味わっているようなのです)

“In 1776 they kicked out the Brit’s butts, but when the first British royalty comes, people were scratching each other’s eyes out to get tickets to the state banquet.”
(1776年には独立戦争でイギリス野郎のケツをけっ飛ばしたわけですが、最初のイギリス王族が訪問するとなると、お互いの目玉を引っ掻いて争っても晩餐会の招待状を手に入れようとしたのです)

“…Because, by and large, you cannot buy royalty. You are born royalty.”
(要するに、金では王族の身分は買えないのです。王族に生まれるしかないのです)

“As nouveau riche they can build a big house, they can give themselves out in grace, but they can’t become royal. Americans, the traditional white Anglo Saxon Americans, do have a love affair with the British royal family.”
(新興の成金は大きな邸宅を建て、外見は立派な身なりはできるものの、王族にだけはなれないのです。伝統的な白人のアングロサクソン系アメリカ人は、イギリス王室とは切っても切れない愛人関係にあるのです)


王族の身分は金で買えないものの一つです。これが世界一金持ちのアメリカ人にはくやしいのです。何千億の金持ちでも、豪邸をもち、贅を尽くした暮らしはできても、王族の身分は買えないのです。腕力で世界の国々を屈服させようとも、M&Aで世界中の資金をかき集めても、手の出ないものがそこにある。こんな理不尽なことがあるのが納得できない。だから、今は落ち目のかつての宗主国から女王ご夫妻が訪問するとなると・・・それがlove and hateの感情なのでしょうね。

王室というのは「無用の用」であるから良いのです。政治の世界とは一線を画し、国民とは精神面だけで結ばれているから意味があるのです。武力や財力だけが無理を通し、「金儲けのどこが悪い」とうそぶく若者がはびこる世の中に、金で買えないものというのは一体何と何があるのか、もういちど整理しておく必要があるように思いました。

というわけで、エリザベス女王も本日帰国の途につかれたようですので、おわりに
Long Live the Queen!

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2007年5月8日火曜日

Queen's Visit to USA (I)


エリザベス女王のアメリカ訪問(I)


前回の投稿でアメリカ英語が英語圏での決定権をもつ世界一の強力な言葉になったことを取り上げましたが、ちょうどタイミングよくエリザベス女王が今アメリカを訪問されています。バージニア州のジェームスタウン、ケンタッキー州のケンタッキー・ダービーで大好きな競馬を楽しまれた後は、首都ワシントンでブッシュ大統領とも面会する日程になっています。王室外交にかけてはベテランである81歳の女王は、成り上がり者のアメリカでどう扱われるのか興味がありますね。

1607年5月14日、3隻の船に分乗した100余名のイギリス人たちが、5ヶ月間の苦難の航海ののちアメリカ新大陸に到着した。その上陸地がバージニア州ジェームスタウンで、この地名は当時のジェームス英国王の名前から命名されたものです。

まず、ジェームスタウンでのチェイニー副大統領の歓迎の挨拶から紹介します。

U.S. vice president Dick Cheney’s welcome speech in Jamestown, Virginia, May 4:

“Your Majesty, 50 years ago on your first visit to America as a sovereign you were given a very warm welcome. Half a century has done nothing to diminish the respect and affection which this country holds for you. We receive you again today in the same spirit.”

“Here at this first settlement named in the honor of the English king, we are joined today by the sovereign who now occupy that throne. She and Prince Philippe are held in the highest regards throughout this nation, and their visit today only affirms the ties of trust and warm friendship between our two countries.“

“Your Majesty and your Royal Highness, all of us are very privileged today and we will certainly remember this day that we shared your company.”

[語注]
Settlement
ジェームスタウンのような入植地を指す
Sovereign
王位継承者のこと
We shared your company
「女王陛下にご出席頂き同席の栄誉にあずかったこと」の意味です。

この”company”はアメリカ英語では良く使われるので、慣れておいた方がよい表現です。「仲間、来客、同席者」の意ですが、次のようないろいろな場面で使われます。
Your company would be much appreciated.
(あなたに出席頂ければとても有り難いですが)
We certainly enjoyed your company.
(あなたに来て頂いてとても楽しかったです)
You can tell a man by the company he keeps.
(人柄はその人の付き合う仲間を見れば分かる)
She will be fun company to have for a drinking party.
(飲み会にさそうと彼女は面白い人だよ)
Watch out. We got company!
(気をつけろ。俺たち、後をつけられてるぞ。)


チェイニー副大統領のスピーチはCNNでも見ましたが、原稿から顔も上げず読み上げるだけ。声にも熱がこもっていなくて、まったくおざなりの歓迎の挨拶でした。”We shared your company”というようなくだけた表現は、王室・王族を持たないアメリカでは違和感がないかもしれませんが、かつての宗主国イギリスの女王陛下を前にして言う言葉ではないと、私は違和感を覚えました。

Underdog(負け犬)である英国とイギリス英語の肩を持つ私としては腹の虫がおさまらないため、エリザベス女王アメリカ訪問については項を改めてまた投稿します。

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2007年5月3日木曜日

English Inc. vs. Queen's English


英語(株)とクイーンズ・イングリッシュの対決?

モルガン・スタンレー証券の経済研究主席であるロバート・フェルドマン氏が、4月22日の日経新聞に語った話に面白い箇所があるので引用させて頂きます。英語・米語の違いについての話しですが、イギリスは英語を守ったかも知れないが、大英帝国は失ってしまった。米語はその母体である英語とは違った進化をしつつある。作家のマーク・トウェインはかって「英語は株式会社のようなものだ」と言ったそうです。ということは、「最も多く英語を使う人たちの国が英語の大株主として経営権を握る」ということになりますね。これは大変面白い表現であるだけでなく、現在進行中の世界の現実をよく表していると思います。

アメリカの人口は今や3億人に達した。そしてイギリス以上に観光客や留学生やビジネス関係者が出入りして、アメリカ英語に親しみを感じるようになっている。ハリウッド映画も世界中で見られているし、テレビのCNNなどは世界中どこでも見られる。つまり、「英語」株式会社の過半数の株主はアメリカ英語を話す人たちが占めている。創業者のイギリス英語は今や少数株主、経営権はもはや英国にはない。すべての決定権をにぎっているアメリカ発の文化が幅をきかせ、英国文化はかすんでしまった。

英語という言葉自体のもアメリカでは独自の進化をしつつあり、フェルドマン氏の言うようにイギリス人が間違いだという文法までアメリカ式が堂々と通用している。言葉も時代の変化は避けられず、好き嫌いは別として、柔軟に対応していかざるを得ない時代が来ている。わが日本も同じことで、若者言葉やそれに迎合するマスコミ用語などは、解説なしには私など旧世代には理解できません。

タイミングよく、イギリス発のインターネットでもこのテーマに関連する面白い記事を見つけました。エリザベス女王の英語もかつての王室英語”Queen’s English”から、イングランド南部標準語に近い言葉に変わっているそうです。スキャンダルまみれの英王室は国民多数を無視しては存続そのものがあやうい。もっと多くの国民が親しみをもてるようにと、南部標準語を話すようになったと思われますが、これはエリザベス女王の聡明な判断ではないでしょうか。以下それに関する記事を紹介します。

Her Majesty's accent is taking on more modern tone
"A new study suggests the Queen is dropping the traditional RP accent and starting to resemble the standard southern English English accent associated with those "younger and traditionally lower in the social hierarchy." ..." Those pronunciation teachers who hold the view that there is this ideal pronunciation which we can all aim for are obviously wrong … "
(Source: This Month's Language News (www.world-english.org/))

(最近の調査によると、女王は伝統であるRP話法をやめて、若者や社会的には低い階層と結びつけられている標準的なイングランド南部話法に近い話し方をされるようになっている。あこがれの的として目指すのがこの理想的な発音である、という見方をする発音の権威たちは明らかに間違っていたということに・・・・)

これに関してチャーチル英語学校の校長先生がBBCニュースに次のようにコメントしています。

“The Queen is not getting less posh. Still less is she trying to ape the style and manners of the lower social classes. She is merely in tune with the times, becoming more informal or, to put another way, she's getting lazy.”

(女王が上品さをかなぐり捨てたというわけではない。まして、低い社会層のスタイルやマナーをまねすることなどはあり得ない。女王は単に時代の流れを読み取って、あまり格式ばらないようにしているだけで、別の言い方をすれば、格式が面倒くさくなってきたのでしょう。)

・ RP(Received Pronunciation)アクセントとは、パブリックスクール出身者やBBC放送などが使う「仕込まれた英語発音」のことです。不自然な口や舌の動きをともなうので、特別な訓練が必要だそうです。あこがれの的となる英国風の格式高い英語というのはこの「RP発音」のことです。

・ 最後のコメントにある”she’s getting lazy”とは、女王も努力を要する格式ばった話し方をやめて、もっと気楽に話したいからRP発音をやめたのだ、という意味の軽口ですね。

一説によると、今の一般のイギリス人の話す英語はアメリカ英語とオーストラリア英語をミックスしたようなものだそうです。創業者であるイギリス英語は今や少数株主となり、経営権をもつアメリカ英語に従うしかないのは、やはり本家としては無念でしょうね。

腕力とM&Aで儲けて大金持ちになり、支配権をもつようになったアメリカ英語が幅を利かすのはやはり時代の流れでしょうか。実を言うと、私自身はイギリス英語に親近感をもつ方なので、あくまで宗家に礼を尽くし、少数株主の立場から目立たぬように細々と発言するようにいたします。

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