2007年5月8日火曜日
Queen's Visit to USA (I)
エリザベス女王のアメリカ訪問(I)
前回の投稿でアメリカ英語が英語圏での決定権をもつ世界一の強力な言葉になったことを取り上げましたが、ちょうどタイミングよくエリザベス女王が今アメリカを訪問されています。バージニア州のジェームスタウン、ケンタッキー州のケンタッキー・ダービーで大好きな競馬を楽しまれた後は、首都ワシントンでブッシュ大統領とも面会する日程になっています。王室外交にかけてはベテランである81歳の女王は、成り上がり者のアメリカでどう扱われるのか興味がありますね。
1607年5月14日、3隻の船に分乗した100余名のイギリス人たちが、5ヶ月間の苦難の航海ののちアメリカ新大陸に到着した。その上陸地がバージニア州ジェームスタウンで、この地名は当時のジェームス英国王の名前から命名されたものです。
まず、ジェームスタウンでのチェイニー副大統領の歓迎の挨拶から紹介します。
U.S. vice president Dick Cheney’s welcome speech in Jamestown, Virginia, May 4:
“Your Majesty, 50 years ago on your first visit to America as a sovereign you were given a very warm welcome. Half a century has done nothing to diminish the respect and affection which this country holds for you. We receive you again today in the same spirit.”
“Here at this first settlement named in the honor of the English king, we are joined today by the sovereign who now occupy that throne. She and Prince Philippe are held in the highest regards throughout this nation, and their visit today only affirms the ties of trust and warm friendship between our two countries.“
“Your Majesty and your Royal Highness, all of us are very privileged today and we will certainly remember this day that we shared your company.”
[語注]
Settlement
ジェームスタウンのような入植地を指す
Sovereign
王位継承者のこと
We shared your company
「女王陛下にご出席頂き同席の栄誉にあずかったこと」の意味です。
この”company”はアメリカ英語では良く使われるので、慣れておいた方がよい表現です。「仲間、来客、同席者」の意ですが、次のようないろいろな場面で使われます。
Your company would be much appreciated.
(あなたに出席頂ければとても有り難いですが)
We certainly enjoyed your company.
(あなたに来て頂いてとても楽しかったです)
You can tell a man by the company he keeps.
(人柄はその人の付き合う仲間を見れば分かる)
She will be fun company to have for a drinking party.
(飲み会にさそうと彼女は面白い人だよ)
Watch out. We got company!
(気をつけろ。俺たち、後をつけられてるぞ。)
チェイニー副大統領のスピーチはCNNでも見ましたが、原稿から顔も上げず読み上げるだけ。声にも熱がこもっていなくて、まったくおざなりの歓迎の挨拶でした。”We shared your company”というようなくだけた表現は、王室・王族を持たないアメリカでは違和感がないかもしれませんが、かつての宗主国イギリスの女王陛下を前にして言う言葉ではないと、私は違和感を覚えました。
Underdog(負け犬)である英国とイギリス英語の肩を持つ私としては腹の虫がおさまらないため、エリザベス女王アメリカ訪問については項を改めてまた投稿します。
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